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Answer Den1

Q 脱窒に挑戦したいと思います。有効なバクテリアをご存じでしたら教えてください。

A 飼育水に蓄積する硝酸塩を減量するいわゆる「脱窒」はアクアリストの永遠のテーマとも言えるもので、多くのベテランアクアリストがチャレンジされているようです。
うまくコントロールできている大ベテランの方もいらっしゃれば、何度も挫折を味わっている方も少なからずいらっしゃるようです。

お尋ねにあります「有効なバクテリア」はバクテリア専門メーカーがそれなりの知見に基づいて商品化をしていますが、脱窒というものは優れたバクテリアを投入すれば結果が得られるというものではありません。それにはいくつかの条件が水槽内もしくは脱窒用の付加装置に構築されていなければ脱窒は起こらないからです。

脱窒の条件とは

1 適度な嫌気環境
2 脱窒菌の餌となる炭素源(有機物)の供給

この2つが備わることで脱窒が開始されます。
T様がこの条件を構築することができれば市販の脱窒バクテリアも効果を示すかも知れませんが、それが難しいようであればどのような高価なバクテリアを用いても結果は得られません。

 これは観賞魚業界にも大きな責任があるのですが、「何かを投入しさえすれば水槽環境が見違えるように改善される」というようなうさん臭い微生物製剤が野放しになっていることです。
おそらくT様の水槽の中にはすでに飽和状態に近い密度で「T菌群」と呼べるような優占種の菌が何種類も働いてくれています。これは長い時間を掛けたバクテリア同士の戦いの中で生き残ったもの達で、T様の水槽環境に最も適合した優れもので決しておろそかにしてはいけない存在になっているはずです。彼等の役割分担は硝化もあれば、有機物の分解、さらには脱窒までこなすものがいます。

 その中に高価な「優れた脱窒菌」を投入するとどういうことが起きるのでしょうか。「優れた脱窒菌」は「T菌群」と対峙しなければならないのです。まず彼等との戦いにかなりのエネルギーを消費し、勝ち残れば良いのですが多くの場合は先住者である「T菌群」に打ち負かされてしまうのです。
この戦いの最中は「優れた脱窒菌」も「T菌群」も本来の浄化作業に全力投入できない状況に置かれます。1+1が2にならないどころか0.5になってしまう可能性もあるのです。
ですから私は市販のバクテリアの効果を鵜呑みにしないことを心がけています。

実はT様の水槽の中にもすでに「脱窒菌」が生息しており、数値としては把握できないまでも日夜脱窒に励んでいるのです。
残念なことに通常の水槽環境では冒頭の2つの条件の絶対量がわずかしかありませんので、結果として目に見える程の脱窒の効果を感じることはありません。
もしT様が本格的に脱窒にチャレンジしてみようとお考えであれば、「T菌群」の中の脱窒菌を活用されることをお奨めします。

脱窒についての詳細は弊社のホームページにかなりのボリュームでご紹介していますので、まずそれを熟読してみてください。
うまく環境設定ができればT様の水槽は異次元の水槽となるでしょう。

ご健闘をお祈りいたします。