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光合成細菌培養時の容器にはどれくらいの空気を残せばよいのでしょうか?

 光合成細菌(PSB)には大きく分けて3つのグループがあります。


 


1 紅色非硫黄細菌


 有機酸等を食べるが、硫化水素も食べる。酸素があっても増殖できるため培養しやすい。ALAを良く作る。


2 紅色硫黄細菌


 硫化水素をよく食べるが、酸素があるとほとんど増えない。


3 緑色硫黄細菌


 緑色の光合成細菌で硫化水素をよく食べる。酸素があるとまったく増えないので培養が難しい。


 


の3つです。(現代農業2016.8月号 光合成細菌より引用)


 


 いずれのグループも、私たちが目的とする飼育水の浄化にはすこぶる有効で、個人的には際だった優劣はないと考えています。


殺菌設備の整った研究施設や企業が培養したものでなければ、光合成細菌の培養液の中には単独の種やグループのみが入っているのではなく、いくつかの種やグループ、あるいは光合成細菌以外のいわゆる 雑菌 が混在していると思ってください。


中でもあの独特の 悪臭 は雑菌群がもたらすもので、光合成細菌への評価をおとしめている要因となっているようです。


私たち素人が挑戦した培養液には数種もしくは数グループの光合成細菌と様々な雑菌が同居しているものとして取り扱う必要があります。


ただ水生生物の飼育水に用いた場合、純粋培養したものと雑菌混じりのものとに大きな差があるのかといえば、私の経験の範囲では ほとんどない と思っています。


 


 ですから皆さんが培養に挑戦される場合にも、培養対象を厳密に選ぶ必要はなく、かつ現実問題としてそれは不可能なことです。


もちろんできあがった培養液の中身は光合成細菌が主体であることは間違いありませんので、増やす種菌の種類よりも培養のしやすさを優先してチャレンジされるべきです。


そうなると種菌の選択肢は 紅色非硫黄細菌 ということになりそうです。


紅色非硫黄細菌であれば、多少の酸素の混入は全く問題になりません。


培養容器に空気が残っていても良いのです。


むしろ、培養過程での攪拌効率を考えれば、意図的に容器の上部に空気を残しておいた方が、沈殿物を解消しやすいことは多くの皆さんが経験されているところです。


私はキャップの下端から2~3cmの位置まで空気を残しています。


 


 酸素が残っている状態では紅色、緑色硫黄細菌を増やすことができないのではないかと思われるかも知れませんが、容器内に残っていた酸素は、光合成細菌と同時に増える好気性の雑菌などに消費されてしまい、やがてほとんどゼロの状態になるはずです。


硫黄細菌が培養液の中にいるとすれば、溶存酸素が残っている内はひっそりとなりを潜め、溶存酸素が減って来れば本来の活性を取り戻すという状況で待機をしており、決して死んでしまったということではないと思われます。


柔らかい材質のペットボトルなどで培養をしますと、時間の経過に伴ってボトルの外壁がへこみ始めることに気づかれると思います。


これは容器内の酸素が使われてしまい、その分の内圧が減ってしまったからです。


キャップをゆるめれば、シュッと音がして容器の中に空気が吸い込まれます。


非硫黄細菌の場合は空気を補充しても全く問題はありません。


逆に硫黄細菌グループでは酸素が補充された分だけ繁殖が抑制されると思われます。


また悪臭の元になっていると思われる 好気性の雑菌群 は活性を取り戻してしまうのでマイナス要因となるかも知れません。


どうしても硫黄細菌群の比率を高めたいのであれば、空気を補充しないか、最初から空気を残さなければ良いと思います。


 


 ちなみにショップで市販されている様々なブランド名の光合成細菌の多くは 非硫黄細菌 であり、あえて培養の難しい 硫黄細菌 を商品化することは価格の高騰を招く結果となるようです。


弊社の できたてPSB は紅色非硫黄細菌が主体となったものですが、紅色、緑色硫黄細菌の混在を否定はしません。


日本動物医薬品が出している たね水 という商品名の緑色硫黄細菌はその価格が高いことで知られていますが、それは培養が難しく安い値段ではペイしないからだと思われます。


ある展示会で同社のスタッフから聞いた話では、緑色を維持するのは大変難しく、歩留まりも悪いとのことです。


私も たね水 を通常の方法で培養したことがありますが、ことごとく赤くなってしまいました。


たね水 は日本動物医薬品が社内の努力の結晶として商品化されたものでしょうから、それなりに優れた資質を持つものだとは思いますが、私の使い方では残念ながら具体的なアドバンテージを感じたことはありません。


 


 いかがでしたでしょうか、光合成細菌の培養は決して難しいものではありませんが、ある種のこだわりを持ってチャレンジすると、いろいろな課題が見えてきます。それらをクリアーすることは、水生生物を飼うことと同様に達成感や醍醐味のようなものを見出すことになるのではないでしょうか。


 


 


 


 


 

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